医薬品 よくあるご質問

ウパシタ

ウパシタ静注透析用を投与中に、血清カルシウム濃度やPTHが過度に低下した場合の処置を教えてください。

■血清カルシウム濃度

・血清カルシウム濃度が8.4mg/dL未満に低下した場合は、原則として本剤の増量は行わず、カルシウム剤やビタミンD製剤の投与、本剤の減量等を考慮してください。

・血清カルシウム濃度が7.5mg/dL未満に低下した場合は、直ちに休薬してください。


■PTH

・PTHが管理目標値を下回った場合、減量又は休薬を考慮してください。

なお、血清カルシウム濃度の検査やPTHの測定は、本剤の薬効及び安全性を適正に判断するために、投与前に実施してください。

また、低アルブミン血症(血清アルブミン値が4.0g/dL未満)がある場合には、補正カルシウム濃度注)を指標に用いてください。

注)補正カルシウム濃度(mg/dL)=血清カルシウム濃度(mg/dL)-血清アルブミン濃度(g/dL)+4.0

<参考>

【PTHの管理指針】

日本透析医学会の「慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常診療ガイドライン」では以下の記載があります1)

①PTHはintact PTH60pg/mL以上240pg/mL以下の範囲に管理することが望ましい

②血清P,Caの管理はPTHの管理に優先することが推奨される

参考資料:

電子添文

1) 社団法人 日本透析医学会 慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン 透析会誌 45(4)301-356.2012

ウパシタ静注透析用を休薬後、再開する場合の注意事項を教えてください。

ウパシタ静注透析用を再開する場合には、血清カルシウム濃度が8.4mg/dL以上であることを確認後、休薬前の用量か、それ以下の用量から再開してください。
なお、血清カルシウム濃度の検査は、ウパシタ静注透析用の薬効及び安全性を適正に判断するために、投与前に実施してください。

また、低アルブミン血症(血清アルブミン値が4.0g/dL未満)がある場合には、補正カルシウム濃度注)を指標に用いてください。

注)補正カルシウム濃度(mg/dL)=血清カルシウム濃度(mg/dL)-血清アルブミン濃度(g/dL)+4.0


参考資料:

電子添文

ウパシタ静注透析用の増量間隔について教えてください。

ウパシタ静注透析用を増量する場合には、増量幅を50μg(ただし25μgから増量する場合は50μgへ増量)とし、2週間以上の間隔をあけて、行うようにしてください。

<補足情報>

国内第Ⅱ相用量調整試験、国内第Ⅲ相長期投与試験及び国内第Ⅲ相比較試験において、同一用量を3週間以上維持し、増量する直前(同一用量を2週間以上投与した時点)の血清補正カルシウム濃度が8.4mg/dL以上である場合に増量することとしました。その結果、3試験ともに増量による安全性が確認されたことから、患者の安全性確保の観点より、過度な血清カルシウム濃度の低下を避けるために2週間以上の間隔が必要であること、実診療時には、血清カルシウム濃度の検査実施後、即日に結果が判明する施設も存在するため、2週間後の血清カルシウム濃度の検査結果を確認し、増量を行うことは可能と判断し、ウパシタ静注透析用の増量間隔を「2週間以上」と設定しました。

参考資料:
電子添文
インタビューフォーム

ウパシタ静注透析用の投与を忘れた場合、どうすればよいですか?

ウパシタ静注透析用の投与を忘れてしまった場合は、次回透析時に投与してください。承認された用法以外の投与(皮下、筋肉内への投与)は、避けてください。


参考資料:

電子添文

他のカルシウム受容体作動薬からの切り替え時の休薬期間は?

ウパシタ静注透析用の電子添文には、他のカルシウム受容体作動薬から切り替える時の、休薬などの記載はありません。休薬期間は、患者の状態(検査値を含む)に応じて、医療機関にてご判断をお願いします。

ウパシタ静注透析用の肝機能障害患者への投与に関する注意事項を教えてください。

肝機能障害患者に対し、電子添文『9.特定の背景を有する患者に関する注意』の項にて、注意喚起はしていません。
ウパシタ静注透析用は、血漿中で90%以上が未変化体として存在し、主な排泄経路は腎排泄(透析患者では血液透析による除去)です。また、CYPの誘導・阻害作用及び各種トランスポーターの阻害活性を示しませんでした。


参考資料:

電子添文

ウパシタ静注透析用は妊婦に投与してもよいですか?

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないでください。

動物実験(ラット)で最低用量100mg/kg/日(臨床最大用量300μg、週3回投与でのAUC0-168hの517倍に相当する)を静脈内投与した結果、出生児で生後初期の生存性低下、水晶体混濁、体重の低値等が認められています。

また、動物実験(ラット)で胎児への移行が認められています。

参考資料:
電子添文

ウパシタ静注透析用は授乳婦に投与してもよいですか?

ウパシタ静注透析用の投与中及び最終投与後(透析を実施した日)の翌日までは、授乳を行わないように指導してください。

動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められています。

また、授乳期に最低用量100mg/kg/日(臨床最大用量300μg、週3回投与でのAUC0-168hの517倍に相当する)を、母動物に静脈内投与した結果、出生児で生後初期の生存性低下、水晶体混濁、体重の低値等が認められています。

参考資料:
電子添文

ウパシタ静注透析用と併用注意の薬剤を教えてください。

以下の薬剤との併用に注意してください。



















 
参考資料:

電子添文

他のカルシウム受容体作動薬との併用はできますか?

ウパシタ静注透析用と他のカルシウム受容体作動薬は併用禁忌等に指定されていません。

しかし、併用することにより薬理作用が重複し、低カルシウム血症が発現するリスクが増大する可能性がありますので、併用は避けてください。

ウパシタ静注透析用の副作用について教えてください。

ウパシタ静注透析用の重大な副作用は、低カルシウム血症(5.7%)、QT 延長(1.3%)です。

また、その他の副作用は、以下のとおりです。


ウパシタ静注透析用の国内第Ⅲ相試験で認められた副作用は、以下のとおりです。


・国内第Ⅲ相試験(血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症患者を対象とした二重盲検並行群間比較試験)

血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症患者153例を対象に、ウパシタ静注透析用及びプラセボを、個体内用量調整により週3回24週間透析終了後に投与したときの副作用発現頻度は、ウパシタ静注透析用群で11.7%(12/103例)でした。発現した副作用は、補正カルシウム減少8.7%(9/103例)、悪心1.0%(1/103例)、シャント血栓症1.0%(1/103例)、食欲減退1.0%(1/103例)、筋痙縮1.0%(1/103例)でした。


・国内第Ⅲ相試験(血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症患者を対象とした長期投与試験)

血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症患者157例を対象に、ウパシタ静注透析用を、個体内用量調整により週3回52週間透析終了後に投与したときの副作用発現頻度は、6.4%(10/157例)でした。発現した副作用は、心電図QT延長1.3%(2/157例)、水晶体混濁1.3%(2/157例)、多汗症0.6%(1/157例)、補正カルシウム減少0.6%(1/157例)、顔面浮腫0.6%(1/157例)、口渇0.6%(1/157例)、急性心筋梗塞0.6%(1/157例)、高血圧0.6%(1/157例)、肝機能異常0.6%(1/157例)、便秘0.6%(1/157例)でした。


参考資料:

電子添文

ウパシタ静注透析用を過量に投与してしまった場合、どのように対処すればよいですか?

ウパシタ静注透析用の過量投与は、低カルシウム血症を発現させると考えられます。

過量投与の場合、低カルシウム血症の徴候及び症状を観察し、低カルシウム血症の発現あるいは発現のおそれがある場合には、カルシウム剤の点滴投与等を考慮してください。なお、ウパシカルセトナトリウムは、血液透析により除去されます。


参考資料:

電子添文

ウパシタ静注透析用と他剤を混合して投与(混注)してもよいですか?

他剤との混注は、行わないでください。

なお、他剤と連続して投与する際の投与順序に関しては、基準はありません。


参考資料:

電子添文

ウパシタ静注透析用の血中半減期を教えてください。

血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症患者に、ウパシタ静注透析用25、50、100、200、400、600及び800μg注)を単回静脈内投与して血漿中の薬物濃度を測定したところ、血中半減期は65.0~122時間でした。

また、投与66時間後に血液透析を実施した結果、透析直後(70h)の血漿中薬物濃度は透析直前(66h)の値より78.40〜100%低下しました。

注)ウパシタ静注透析用の承認されている用法及び用量は、「通常、ウパシカルセトナトリウムとして1回25〜300μgの範囲内で適宜用量を調整する。」です。

参考資料:

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ウパシタ静注透析用の製剤の安定性を教えてください。

ウパシタ静注透析用の安定性は、以下のとおりです。

参考資料:

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