ウパシタ
- ウパシタの増量間隔はどれくらいですか?
「7.用法及び用量に関連する注意」通り、2週間以上の間隔をあけて増量してください。
本剤の「7.用法及び用量に関連する注意」は下記になります。
「増量する場合には増量幅を50μg(ただし25μgから増量する場合は50μgへ増量)とし、2週間以上の間隔をあけて行うこと。」
【参考】
国内第Ⅱ相試験、第Ⅲ相臨床試験では、同一用量を2週間使用した後の血清Ca、PTHを見て増量可否を判断いただくこと、ならびに治験なので最大透析間隔(中2日)後に評価上の規定来院を設定しているため、3週間以上として実施しました。
参考資料:添付文書(「7.用法及び用量に関連する注意」の項)- 他のカルシウム受容体作動薬からの切り替え時の休薬期間は?
添付文書には他のカルシウム受容体作動薬から切り替える時の休薬などの記載はありません。休薬期間は、患者さんの状態(検査値を含む)に応じて医療機関にてご判断をお願いします。
- ウパシタを休薬後、再開する場合の注意事項はありますか?
ウパシタを再開する場合には、血中カルシウム濃度が8.4mg/dL以上であることを確認後、休薬前の用量か、それ以下の用量から再開してください。
なお、血清カルシウム濃度の検査は、本剤の薬効及び安全性を適正に判断するために、投与前に実施することをお勧めしています。また、低アルブミン血症(血清アルブミン値が4.0g/dL未満)の場合には、補正値注)を指標に用いることをお勧めしています。
注) 補正カルシウム濃度(mg/dL)=血清カルシウム濃度(mg/dL)-血清アルブミン濃度(g/dL)+4.0
参考資料:添付文書(「7.用法及び用量に関連する注意」の項)- 血清カルシウム濃度やPTHが過度に低下した場合はどうしたらよいですか?
血清カルシウム濃度が8.4mg/dL未満に低下した場合は、原則として本剤の増量は行わないでください。また、必要に応じて本剤を減量し、カルシウム剤やビタミンD製剤の投与を考慮してください。血清カルシウム濃度が7.5mg/dL未満に低下した場合は、直ちに休薬してください。PTHについては特に減量・中止の目安を定めていませんが、「管理目標値にPTHが維持される」必要がありますので、医師のご判断となります。
なお、血清カルシウムの検査は、本剤の薬効及び安全性を適正に判断するために、投与前に実施することをお勧めしています。また、低アルブミン血症(血清アルブミン値が4.0g/dL未満)の場合には、補正値注)を指標に用いることをお勧めしています。注) 補正カルシウム濃度(mg/dL)=血清カルシウム濃度(mg/dL)-血清アルブミン濃度(g/dL)+4.0
参考資料:添付文書(「7.用法及び用量に関連する注意」の項)- ウパシタの投与を忘れた場合の投与方法は?
投与を忘れてしまった場合は、次回透析時に投与してください。承認された用法以外の投与(皮下、筋肉内への投与)は避けてください。
なお、PTHを測定する日の前の透析時に本剤を投与をしていない場合は、検査値に影響することが予想されますのでご注意ください。
参考資料:添付文書(「14.2 薬剤投与時の注意」の項)- 過量に投与してしまった場合はどのように対処すれば良いですか?
本剤の過量投与は低カルシウム血症を発現させると考えられます。
過量投与の場合、低カルシウム血症の徴候及び症状を観察し、低カルシウム血症の発現あるいは発現のおそれがある場合にはカルシウム剤の点滴投与等を考慮してください。なお、本剤は血液透析により除去されます。
参考資料:添付文書(「13.過量投与」の項)- ウパシタの血中半減期は?
維持血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症患者に単回静脈内投与したところ、血中半減期は65.0~122時間でした。
なお、1回の透析で78.4~100%が除去されることが確認されています。
参考資料:インタビューフォーム、添付文書(「16.5 排泄」の項)- 他のカルシウム受容体作動薬との併用はできますか?
類薬(シナカルセト、エテルカルセチド、エボカルセト)との併用は避けていただくようお願いします。
薬力学的薬物相互作用試験において、ヒトCaSR発現HEK293T細胞にウパシカルセトナトリウムとエテルカルセチド塩酸塩を併用添加した場合、それぞれの単独添加よりも細胞内IP-1蓄積が増加しました。したがって、ウパシカルセトナトリウムはエテルカルセチド塩酸塩との併用により薬理作用が増強する可能性があります。※IP-1:イノシトール1リン酸,細胞内情報伝達物質IP-3の代謝物。CaSR作動活性の指標。
- ウパシタの投与中に注意すべき併用薬はありますか?
他のカルシウム受容体(CaSR)作動薬と併用することにより、薬理作用が重複しますので、低カルシウム血症が発現するリスクが増大する可能性があります。
また、添付文書に以下の併用注意がございます。
●薬剤名等:
デノスマブ
ビスホスホネート系薬剤
ミノドロン酸水和物
アレンドロン酸ナトリウム水和物
リセドロン酸ナトリウム水和物
イバンドロン酸ナトリウム水和物
ゾレドロン酸水和物 等
選択的エストロゲン受容体モジュレーター
ラロキシフェン塩酸塩
バゼドキシフェン酢酸塩
カルシトニン
副腎皮質ホルモン
プレドニゾロン
デキサメタゾン 等
●臨床症状・措置方法:
血清カルシウム濃度が低下するおそれがある。
●機序・危険因子:
本剤の血中カルシウム低下作用が増強される可能性がある。
参考資料:添付文書(「10.2 併用注意」の項)- 肝障害患者への投与は?
ウパシタは代謝を受けにくく、血漿中で90%以上が未変化体として存在し、主な排泄経路は腎排泄(透析患者さんでは血液透析による除去)です。また、CYPの誘導・阻害作用及び各種トランスポーターの阻害活性を示しませんでした。
そのため、肝障害患者に対し、特に投与制限や慎重投与等の注意喚起はしていません。
また、投与量を調節する必要はないと考えています。
参考資料:添付文書(「16.薬物動態」の項)- ウパシタは妊婦や授乳婦に投与してもよいですか?
添付文書に以下の記載がございます。
<9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.5 妊婦>
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。
動物実験(ラット)で最低用量100mg/kg/日(臨床最大用量300μg、週3回投与でのAUC0-168hの517倍に相当する)を静脈内投与した結果、出生児で生後初期の生存性低下、水晶体混濁、体重の低値等が認められている。
また、動物実験(ラット)で胎児への移行が認められている。[2.2参照]
<9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.6 授乳婦>
本剤投与中及び本剤最終投与後に透析を実施した日の翌日までは授乳を避けさせること。
動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。また、授乳期に最低用量100mg/kg/日(臨床最大用量300μg、週3回投与でのAUC0-168hの517倍に相当する)を母動物に静脈内投与した結果、出生児で生後初期の生存性低下、水晶体混濁、体重の低値等が認められている。
参考資料:添付文書(「9.5 妊婦」、「9.6 授乳婦」の項)- ウパシタの主な副作用は?
国内で実施された臨床試験において、318例中34例(10.7%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められました。
主なものは補正カルシウム減少18例(5.7%)、QT延長4例(1.3%)等でした。
重大な副作用として、低カルシウム血症、QT 延長があらわれることがあります。
その他の主な副作用(0.5~1%未満)は、水晶体混濁が報告されています。
参考資料:添付文書(「11.副作用」の項)- ウパシタと他剤を混合して投与(混注)してもよいですか?
他剤との混注は行わないでください。また、投与順序に関しての基準はありません。
参考資料:添付文書(「14.1 薬剤調整時の注意」の項)- 室温での安定性について教えてください。
製剤の加速試験では温度25±2℃、湿度60±5% RHで6カ月の間、評価項目(性状、pH、定量(%)等)について規格内でした。
なお、使用期限36カ月の品質を保持するためには、室温ではなく2〜8℃保存が必要です。
参考資料:インタビューフォーム- 光での安定性について教えてください。
製剤の苛酷試験では120万 lx・h 以上及び200W・h/m2 以上で、評価項目(性状、pH、定量(%)等)について規格内でした。
なお、使用期限36カ月の品質を保持するためには、室温ではなく2〜8℃保存が必要です。
外箱開封後は遮光して保存するようお願いします。
参考資料:インタビューフォーム