測定原理
検体を本品の先端から吸引させると、本品中のフラビンアデニンジヌクレオチド‐グルコースデヒドロゲナーゼと血液中のグルコースが反応し、3-(2',5'-ジスルホフェニルイミノ)-三水素-フェノチアジン-ビス-ナトリウム塩(電子伝達体)が還元されて還元型電子伝達体を生成します。この還元型電子伝達体量は、グルコース濃度に比例しており、電気化学的に酸化することによって電流を生じ、これを測定したあと、得られた値をグルコース濃度に換算します。
使用上の注意
【使用上又は取扱い上の注意】
1.ミントセンサーⅡについて
(1)アルミパックを開封するとき、力を入れて開けると本品が飛び出すことがありますので注意してください。
(2)本品をよごれた手、またはぬれた手で取り扱ったり、長時間手の中で保持しないでください。異常値を示したり、測定不能の原因となります。
(3)アルミパック開封後はすぐに使用してください。長時間放置すると異常値を示したり、測定不能の原因となります。
(4)本品は結露しないよう使用してください。本品を高湿度下に置いたとき、または急激に温度変化させたときに結露する恐れがあります。結露すると異常値を示したり、測定不能の原因となります。
(5)本品は、手を清潔にした状態または医療用手袋などを着用して取り扱ってください。
(6)本品をグルテストミントⅡのセンサー挿入口に差し込むときに、無理に力を入れて折り曲げたりしないでください。異常値を示したり、測定不能の原因となります。
(7)本品は使い捨てですので、再使用できません。測定済みおよび血液を少しでも吸引した本品を再使用すると、誤動作や正しい測定結果が得られない原因となります。
(8)使用後の本品は感染の危険性があるため、医療機関の所定の手順に従って、廃棄してください。
(9)採血部は感染の危険性があるため、採血後の処置を適切に行ってください。
(10)使用期限を過ぎた本品は使用しないでください。使用した場合、異常値を示す原因となります。使用期限は本品のアルミパックと包装箱に表示されています。
(11)本品および測定器具一式は、乳幼児の手に触れないところに保管し、飲み込まないように注意してください。
(12)本品は、本書に記載の貯蔵方法にしたがって保存してください。それ以外での保存では異常値を示す原因となります。特に、0 ℃以下での保存は絶対に避けてください。0 ℃以下で保存すると、試薬の凍結や室温へ戻した場合の融解により、異常値を示す原因となります。
2.その他の注意事項
(1)グルテストミントⅡは5℃~ 40℃の室温で、結露していない状態で使用してください。結露は異常値、誤動作の原因となります。グルテストミントⅡを高湿度下に置いたとき、または急激に温度変化させたときに結露する恐れがあります。
(2)移動などにより測定する環境が変化した場合、使用場所に30分以上放置して、環境温度になじませてから測定を行ってください。グルテストミントⅡを移動した場合は温度差が大きい程なじむまでの時間が必要です。なじんでいない場合、温度補正が正常に行われず、異常値を示す原因となります。
(3)グルテストミントⅡを長時間持ち続けないでください。手の温度が測定結果に影響を及ぼす場合があります。温度補正が正常に働かず、異常値を示す原因となります。
(4)テレビ、電子レンジ、携帯電話、低(高)周波治療器等、電磁波を発生する電子機器付近で測定しないでください。正しい測定結果が得られない可能性があります。
操作方法
グルテストミントⅡを用いた基本的な操作方法を以下に示します。
詳しい操作方法については、グルテストミントⅡの添付文書および取扱説明書をお読みください。
(注意)本品は、手を清潔にした状態または医療用手袋などを着用して取り扱ってください。
1. アルミパックの開封
ミントセンサーⅡのアルミパックを開封口からはがし、指定のところまで開け、ミントセンサーⅡをアルミパックから抜き取ります。
(注意)以下のような取り扱いはしないでください。異常値を示したり、測定不能の原因となります。
(1)本品をよごれた手、またはぬれた手で取り扱う。
(2)本品を長時間、手の中で保持する。
(3)アルミパックを開封後、長時間放置する。
2. ミントセンサーⅡの挿入
本品をグルテストミントⅡのセンサー挿入口から、下図のようにおもて面を上にして奥までしっかり挿入します。ブザー音が鳴り、表示部が検体の点着待ちの画面になります。
(注意)本品は正しく挿入してください。挿入が不十分な場合は測定不能の原因となります。
(注意)本品を裏向きに挿入した場合は表示部に警告画面が表示されてブザー音が鳴ります。正しい向きで挿入し直してください。
3. 血液の吸引
採血器具を使用し、血液を出します。 本品の先端を血液に接触させると、血液が吸引されて測定が開始されます。 表示部には測定結果が得られるまでの秒数が表示されます。
(注意)血液を取り扱う場合は、感染防止のため医療用手袋などを着用してください。
(注意)本品挿入後、5分以内に血液を点着しないとタイムアウトとなり、測定ができません。タイムアウトになった場合は、本品を排出し、再度、挿入してから血液を点着してください。
(注意)血液の点着は、本品の先端から行います。本品表面に血液を滴下した場合は、異常値を示したり、測定不能の原因となります。
(注意)血液は下図のように確実に吸引させてください。血液量が十分でない場合は表示部に「測定エラー」画面が表示されてブザー音が鳴ります。新しい本品で再測定してください。
(注意)血液の継ぎ足しはしないでください。異常値を示す原因となります。
(注意)採血部位は洗浄して清潔に保ち、よく乾かしてから採血を行ってください。採血部位に汗・汚れ・水分が残っていると血液を吸引しなかったり、異常値を示す原因となります。
4.測定結果の表示
測定開始から約7秒後に測定結果が表示されます。 血糖値が10 mg/dL未満のとき「10未満 mg/dL」が、1000 mg/dLを超えたとき「1000超 mg/dL」が表示されます。
操作上の注意
1. 妨害物質・妨害薬剤
(1)プラリドキシムヨウ化メチルにより、実際の血糖値より高値を示すことがあります。
(2)測定する検体にヨウ化物イオンを遊離するような物質が存在している場合には、偽高値となる可能性があります。
2. 測定値に影響を及ぼす因子
(1)キシロース吸収試験時には実際の血糖値より高値を示します。キシロース吸収試験時には使用しないでください。
(2)高濃度アスコルビン酸療法中は、使用しないでください。
(3)使用可能な抗凝固剤は、ヘパリンまたはEDTAです。EDTAが入っている採血管を使用する場合、採血量が少ない(規定量の1/2以下)と低値になることがあります。解糖阻止剤を含む採血管は使用しないでください。
(4)脱水症状や高血糖高浸透圧状態は測定結果に影響を与える場合があります。
(5)本品におけるグルコース測定において、以下に示す物質の各濃度閾値までほとんど影響を受けません。
3.検体について
(1)本品は、検体として全血(新生児血を含む)をご使用ください。血漿および血清は使用しないでください。
(2)本品は、新鮮な検体を使用するように設計されています。採血後はすみやかに測定してください。すみやかに行われない場合、異常値を示す原因となります。
性能
1.性能
(1)測定範囲:10 mg/dL ~ 1000mg/dL
(2)感度・ 正確性・同時再現性:低・中・高濃度の3種類の血液を用いて各36回測定した結果(平均値、S.D.、C.V.)と、自動分析装置(酵素電極法)での測定値を示します。
2.相関性
グルテストミントⅡと本品で指先採血および静脈採血による全血検体を測定した場合と、同一検体を遠心分離して得られた血漿成分を、自動分析装置(酵素電極法)で測定した場合の相関係数および回帰式は以下のとおりとなりました。
3.較正用の基準物質(標準物質)
NIST SRM917
警告
【警告】
1. 実際の血糖値より高値を示すことがあるので、以下の患者には使用しないこと。[その偽高値に基づきインスリン等の血糖降下剤を投与することにより、昏睡等の重篤な低血糖症状があらわれるおそれがある。](【操作上の注意】の項参照)
・ キシロース吸収試験を実施中の患者
・ プラリドキシムヨウ化メチルを投与中の患者
【重要な基本的注意】
1.指先から採血する場合は、穿刺前に、必ず流水でよく手を洗ってください。
2.果物等の糖分を含む食品などに触れた後、そのまま指先から採血すると指先に付着した糖分が血液と混じり、血糖値が偽高値となるおそれがあります。[アルコール綿による消毒のみでは糖分の除去が不十分との報告があります。]
3.以下のような末梢血流が減少した患者の指先から採血した場合は、血糖値が偽低値を示すことがあるため、静脈血等他の部位から採血した血液を用いて測定してください。
・脱水症状
・ショック状態
・末梢循環障害
4.本品による測定結果が症状と一致しない場合は、新しい本品で測定をやり直し、それでも同じ測定結果が出るときはすぐに医師に相談し、そのまま使用しないでください。臨床的診断は担当の医師が臨床的な症状や他の検査結果とあわせ、総合的に判断してください。
5.本品は、「グルテストミントⅡ」の専用センサーです。ほかの測定器では使用できません。