測定原理
抗CRP抗体を感作したラテックス粒子と被検検体を反応板上で反応させます。検体中に一定濃度以上のCRPが存在すると抗原抗体反応によってラテックス粒子が凝集します。これを目視判定します。
使用上の注意
1. 取扱い上(危険防止)の注意
(1)試料には感染性微生物が存在することがあるので、感染の危険性があるものとして、取扱いには十分注意してください。
(2)本品中には防腐剤として0.1(W/V)%未満のアジ化ナトリウムが含有されています。誤って目や口に入ったり、皮膚に付着した場合は水で十分に洗い流す等の応急措置を行い、必要があれば医師の手当てを受けてください。
2. 使用上の注意
(1)使用期限の切れた試液は使用しないでください。
(2)冷蔵庫から取り出した試液は、10分程放置し、室温に戻した後使用してください。また、使い終わったら直ちに冷蔵庫に戻してください。
(3)抗CRP抗体感作ラテックス試液は、十分転倒混和し、均一に浮遊させたものを使用してください。なお、はじめて使用する時、並びに1ヵ月以上放置しておいたものを使用する時は、ミキサーあるいは手で上下に十分混和(20~30秒間)してから使用してください。
(4) 試液を滴下する時は、試液瓶を垂直に保ち、静かに滴下してください。
(5) ラテックス試液は滴下用ノズルの滴下口の周りにラテックス試液が漏れ出た状態で滴下すると1滴の滴下量が大きく変わります。また、乾燥したラテックスが付着した場合もそのまま滴下すると反応像に影響を与えます。このような場合は、いずれも必ずガーゼ等で拭き取ってから使用してください。
(6) ラテックス試液瓶のキャップの内部には、滴下用ノズルの滴 下口が接する位置に、パッキンが装着されています。液漏れ 防止のためノズルの先端がパッキンに密着するようにキャップをしっかりと締めてください。
(7) 検体サンプリング用ピペットは、検体毎に取り替えてください。
(8) 反応板のリング内には、手指を触れないでください。
(9) 反応板は使い捨てです。
(10)反応板は表面を向かい合わせにし、たわみを防ぐために室温で保存してください。
(11)反応板は検体数に応じ、はさみ等で点線から切り離して使用することも可能です。
(12)ロットの異なる試液を組み合わせて使用しないでください。
(13)攪拌棒として適当な小棒(マッチ棒、ヨウジ等)あるいは、検体サンプリング用ピペットのつまみ部分を使用してください。
(14) 反応は、室温(15~30℃)で行い、反応時間(2分間)を守ってください。
3. 廃棄上の注意
(1)本品中には防腐剤として0.1(W/V)%未満のアジ化ナトリウムを含有しています。アジ化ナトリウムは鉛管、銅管と反応して爆発性の強い金属アジドを生成することがありますので、廃棄する場合には大量の水で洗い流してください。
(2)試料には感染性微生物が存在することがあるので、使用済みの試料、試薬容器、器具等は滅菌、消毒(0.5%次亜塩素酸ナトリウム溶液)、焼却等で処理してください。
(3)試液及び器具などを廃棄する場合には、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、水質汚濁防止法等の規定に従って処理してください。
操作方法
1. 反応板の各区画に緩衝液を1滴ずつ滴下します。
2. 攪拌棒の先で区画内に拡げます。
3. 被検検体を添付ピペットの標線までとり、ピペットの先端を反応板の区画面につけて押し出し、先端で緩衝液と十分混和します。
4. 反応板を前後左右にゆり動かして軽く混和します。
5. 抗CRP抗体感作ラテックス試液を各区画に1滴ずつ滴下します。
6. 反応板を前後左右に2分間ゆり動かした後、目視で判定します。
操作上の注意
(1)測定試料の性質
本キットによる測定は、試料として血液(血清、血漿、全血)を使用してください。
(2)その他 試液は必ず冷蔵保存(2~10℃)し、凍結保存は避けてください。
性能
1. 感度
自社施設において本キットの感度を検討したところ、0.4±0.1mg/dL以上のCRPを含む検体で陽性像を呈し、また20mg/dLの検体においても地帯現象によって陰性化することはありませんでした。
2. 正確性
自社施設において本キットを用い、CRP陽性の管理血清並びにCRP陰性の管理血清各10例を検体として測定したところ、陽性検体はすべて陽性像を、陰性検体はすべて陰性像を呈しました。
3. 同時再現性
0.8mg/dL及び2.4mg/dLの検体を同一ロットの試薬を用いて二人の術者がそれぞれ5回試験した結果、同一の検体ではすべて同一の結果が得られました。
4. 検出範囲
本キットによる血液中CRP濃度の測定範囲は0.4mg/dL以上です。
5. 校正用基準物質 IFCC国際標準品CRM470
特長
1. 血清、血漿はもちろん、全血も検体として使用できます。
2. 微量検体で測定できます。
3. 検体希釈の必要がありません。
4. リウマチ因子の影響を殆ど受けません。
5. 短時間の反応(2分間)で結果が得られます。
6. ラテックス粒子が均一で鮮明な凝集像を呈します。