トロップT センシティブ 製品詳細情報

測定原理

本テストストリップは、心筋トロポニンTに特異的な2種のモノクローナル抗体を用いたサンドイッチ法に基づく免疫クロマトグラフィー法を測定原理としています。

1.検体滴下孔より移動した血液中のトロポニンTは、ビオチン化抗体と金標識抗体とでサンドイッチ結合してトロポニンT複合物を形成します。

2.トロポニンT 複合物はクロマトグラフィーの原理により、メンブレン層上を移動し、固相化されているストレプトアビジンと結合します。

3.その結果、判定孔に金粒子による赤色の線が出現します。

使用上の注意

1. 取扱い上(危険防止)の注意
(1)検体及び本品の取扱いには、使い捨て手袋、実験着などの保護衣及び保護用眼鏡を着用するなど、人体に直接触れないように注意してください。また、測定終了後はよく手を洗ってください。
(2)検体をこぼした場合は、次亜塩素酸剤(有効塩素濃度1,000 ppm、0.1%)などの消毒液を使用してじゅうぶんに拭き取ってください。なお拭き取る際には、ゴム製の手袋などにより手を保護してください。
(3)検体および本品を取り扱う場所では飲食又は喫煙をしないでください。
(4)検体はHIV、HBV、HCV などのウイルスによる感染の危険性があるものとして取り扱い、検体又は検査に使用した器具類は高圧蒸気滅菌器を用いて121℃で20 分間以上加熱滅菌処理をするか、次亜塩素酸剤(有効塩素濃度1,000ppm, 0.1%)に1 時間以上浸すなどにより消毒してください。これらの作業中は、じゅうぶんに換気を行ってください。
(5)本製品添付の専用シリンジによる針刺し事故に注意してください。

2. 使用上の注意
(1)テストストリップ及び消耗品は専用のものを使用し、その容器・付属品などはほかの目的に転用しないでください。
(2)テストストリップは必ず貯蔵方法に従って保存し、凍結させるなど指定の条件以外で保存したものや使用期限を過ぎたものは使用しないでください。
(3)テストストリップ及びアルミパッケージに物理的な異常がないかチェックしてください。
(4)テストストリップの試験部分は汚染を防止するため、直接手で触れないでください。
(5)テストストリップは開封時に微生物の汚染を避けてください。
(6)感度の低下を防ぐために湿気、直射日光や強い光、熱を避けてください。
(7)テストストリップは、揮発性薬品や強酸性、アルカリ性薬品による汚染を避けてください。
(8)本製品添付の専用シリンジは医療用採血器具ではありませんので、被験者からの直接の採血には使用しないでください。採血には市販の採血器具を使用してください。
(9)検体のヘマトクリット値が高い場合、血漿量不足のため展開不良を引き起こす場合があります。
(10)慢性腎不全などで長期透析療法の患者で、陽性を示すという報告があります。
(11)溶血した検体は測定に影響を及ぼすおそれがありますので、使用しないでください。

3. 廃棄上の注意
(1)使用後の本品を廃棄する場合には、廃棄物に関する規定に従って医療廃棄物又は産業廃棄物など区別して処理してください。
(2)使用後のシリンジ(本製品添付の専用シリンジ)は再キャップによる廃棄が一般的ですが、再キャップなしの廃棄を行っている施設ではその廃棄方法に従ってください。

4. その他の注意 本品による測定値は既存製品と高い相関性を示しますが、系統的な誤差を生じる場合がありますので、必要に応じて相関性について検討されることをお勧めします。

品目仕様等

テストストリップ(アルミパック包装) 5枚 <付属品> 専用シリンジ(150 μL) 5本 記録用紙 5枚

操作方法

1. 試薬の調製方法 テストストリップは冷蔵庫から取り出してすぐに使えます。

2. 試薬の安定性 未使用時:2~8℃で使用期限まで、室温保存の場合は4週間まで安定。 開 封 後:15 分以内に使用してください。

3. 操作方法
(1) テストストリップをアルミパックから取り出します。
(2) 抗凝固剤を添加した全血を、専用シリンジを用いて採血管より150μL 採取し、テストストリップの検体滴下孔(▲赤矢印部分)に全量を滴下します。
(3) 測定する人が検体に触れないように検体滴下孔を滴下孔シールでカバーします。
(4) 貼付した滴下孔シールと同じ番号の記録用紙に患者名、日付及び検体滴下時刻を記入します。
(5) 検体を滴下してから15 分後、判定孔に現れる赤色の線の有無を肉眼で観察し、判定を行います(シグナルライン及びコントロールラインの発色を確認してください)。

4. 結果の判定
(1) 判定孔に現れる赤色の線が1本(コントロールライン)のみのとき陰性と判定します。
(2) 判定孔に現れる赤色の線が2本(コントロールラインとシグナルライン)のとき陽性と判定します。
(3) コントロールラインが確認できないときは判定不能とし、新しいテストストリップを用いて再検査してください。 注意) 測定は18~30℃で行ってください。判定は自然光の下で行ってください。

操作上の注意

1. 測定試料の性質・採取法 測定試料はEDTA 又はヘパリン添加静脈血です。 抗凝固剤にはへパリン、EDTAを用います。そのほかの抗凝固剤は使用しないでください。また、動脈血の場合は、ヘパリン添加動脈血のみを使用してください。採血には市販の採血用具を用いてください。 測定試料の安定性:室温で8時間安定です。
注)抗凝固剤の入っていない検体は使用できません。冷蔵、冷凍した検体は使用できません。

2. 妨害物質・妨害薬剤
(1) 骨格筋由来のトロポニンT 濃度は500 ng/mL まで測定に影響を与えません。
(2) ビオチン濃度は10 ng/mL まで測定に影響を与えません。
(3) ヘモグロビン濃度は0.2 g/dL まで、ビリルビン濃度は20mg/dL まで、トリグリセライド濃度は500 mg/dL まで測定に影響を与えません。
(4) ヘマトクリット値は14%~55%の範囲で測定に影響を与えません。
(5) イムノアッセイでは、非特異反応物質(例えば、抗マウス抗体など)が存在した場合、得られた結果に対して、非特異的反応を完全に否定できない場合があります。

性能

(1) 感度試験 心筋トロポニンTの濃度が0 ng/mL の試料を測定するとき、1本の線(コントロールライン)が現れ、陰性と判定されます。心筋トロポニンTの濃度が0.1 ng/mL 以上の試料を測定するとき、2本の線(コントロールラインとシグナルライン)が現れ、陽性と判定されます。
(2) 特異性試験 心筋トロポニンTの濃度が0 ng/mL の試料を測定するとき、1本の線(コントロールライン)が現れ、陰性と判定されます。 心筋トロポニンTの濃度が0.1 ng/mL 以上の試料を測定するとき、2本の線(コントロールラインとシグナルライン)が現れ、陽性と判定されます。
(3) 再現性試験 心筋トロポニンTの濃度が0 ng/mL の試料及び心筋トロポニンTの濃度が0.1 ng/mL 以上の試料をそれぞれ5回同時に測定する時、心筋トロポニンTの濃度が0 ng/mL の試料は陰性を示し、心筋トロポニンTの濃度が0.1 ng/mL 以上の試料は陽性を示し、いずれの場合も同じ判定結果を示します。
(4) 最小検出感度 0.1 ng/mL

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