第2回 スイニーの開発コンセプト
先生方には弊社のスイニーをご活用いただき、ありがとうございます。本日は、三和化学研究所が創薬したDPP-4阻害薬スイニーについて、その【開発コンセプト】をご紹介します。

安全性を重視したDPP-4阻害薬の開発
弊社では30年以上前からインクレチン研究を開始し、1985年頃には、京都大学・清野研と腸管ペプチドの共同研究を行い、ヒトGIPのcDNAクローニングに初めて成功する1)など基礎研究を通して、インクレチンの生理的意義の解明にも一部貢献してきました。このような研究実績のもと、DPP-4阻害薬の創薬研究に着手しました。

DPP-4阻害薬の創薬研究を進めるにあたり、弊社がこだわったのはDPP-4に対する高い選択性です。その当時、DPP-4に作用が似た酵素の阻害が消化管障害を引き起こす可能性が示唆されていました。糖尿病治療薬は、患者さんが長期にわたって服用するため、DPP-4への選択性を高めることは安全性につながると考え、コンセプトに合致した化合物を最終候補から選択いたしました。
それが開発コードSK-0403、その後、弊社研究所として初めての新薬となるスイニーの成分であるアナグリプチンです。

より高いDPP-4活性阻害を目指した1日2回投与
通常、1日の血糖を確実にコントロールするためには、24時間にわたって血漿DPP-4活性を80%以上阻害する用法・用量の設定が必要2)と考えられていました。しかし、基礎試験を進める中で、血中の活性型GLP-1の濃度を最大限高めるためには、血漿DPP-4を80%阻害する薬物濃度(IC80)では不十分であることが示されました3)。さらに、GLP-1の分泌部位が腸管であることに着目し、薬剤吸収時にダイレクトに腸管-門脈局所のDPP-4を阻害することが、全身血中に移行する活性型GLP-1濃度を高めると仮説を立て、夕食後でも効果減弱することのない薬剤を作ることを目的に、1日2回投与での開発を進めました。

臨床薬理試験で確認された夕食後まで続く効果
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このようなスイニーの特徴を明らかにする目的で先行薬剤であるシタグリプチンを対照とした臨床薬理試験を実施しました。その結果、スイニー群ではシタグリプチン群に比べ、夕食後の血漿活性型GLP-1濃度が有意に高いことが示されました4)。また、当時まだ普及していなかったCGM(持続血糖測定)をいち早く取り入れ、スイニーの24時間血糖プロファイルも明らかにしました4)


こうして、夕食後まで効果が持続する1日2回投与のDPP-4阻害薬スイニーが誕生しました。

【参考情報】
第III相試験長期投与時に、LDLコレステロールの低下が認められました5、6)。LDL-Cに対する副次的な作用は予想外でしたが、スイニーの新たな一面として興味を集めました。

弊社では、糖尿病領域の発展のため、GIP定量法の開発7)などに取り組んできました。さらに現在、グルカゴン評価系の確立を目指して研究を進めています。これからも三和化学研究所は、日本の糖尿病治療の進歩に貢献したいと考えています。


本日ご紹介した調査結果が、先生の日常診療のヒントになれば幸いです。
株式会社三和化学研究所では、今後も先生の日常診療にお役立ちいただける情報をお届けしてまいります。
スイニー®錠添付文書
References
1)De León DD et al. Int J Biochem Cell Biol. 2006;38(5-6):845-59.
2)Herman GA et al, J Clin Endocrinol Metab 2006; 91(11): 4612-4619
3)Furuta S et al. Drug Res (Stuttg). 2014;64(3):130-5.
4)Jpn Pharmacol Ther. 2012;40(10):859-69.
5)Jpn Pharmacol Ther. 2012;40(9):745-70.
6)Jpn Pharmacol Ther. 2012;40(9):733-44.
7)Miyachi A et al. J Proteome Res. 2013;12(6):2690-9.