医療関係者向け情報

糖尿病における食後血糖値の管理に関するガイドライン2011 (IDF)

食後血糖コントロールの重要性

糖尿病の治療の良否は動脈硬化の進展に大きく関係することから、今,良質な血糖管理が求められています。そのためには目標とするHbA1cを達成するだけでなく、食後の急峻な血糖上昇を抑え、血糖を平坦化することが非常に重要です。国際糖尿病連合は、2007年に発表した「糖尿病における食後血糖値の管理に関するガイドライン」を新しいエビデンスの集積を受けて、2011年に改訂しました。

今回は、2011年改訂された変更のポイント、糖尿病の管理における食後血糖の役割と重要性、ならびに推奨について紹介します。

11月14日は「世界糖尿病デー」です。

食後の高血糖は、動脈硬化を招きます。

糖尿病における食後血糖値の管理のためのガイドライン2011(IDF)

国際糖尿病連合は2007年に発表した「糖尿病における食後血糖値の管理のためのガイドライン」をその後のエビデンスの蓄積を受けて2011年に改訂し、発表しました。

今回,蓄積されたエビデンスを基にして、治療目標を「食後2時間血糖値を140mg/dL未満」から、「低血糖を起こさずに、食後1~ 2時間血糖値を160mg/dL未満」へ変更しました。

また、「食後血糖の把握のため自己血糖測定(SMBG)の使用を考慮する」ことを推奨しています。
本ガイドラインでは、糖尿病を管理するために食後血糖の役割と重要性に関して、4つの疑問点をなげかけ、推奨を示しています。

食後高血糖の診断・治療Q&A

Q1. 食後高血糖は有害か。

[ エビデンスステートメント ]

食後高血糖および負荷後高血糖は、糖尿病患者において次の因子とは独立して関連している。回答が入ります。回答が入ります。回答が入ります。回答が入ります。

  • 大血管疾患
  • 網膜症
  • 高齢2型糖尿病患者の認知機能障害
  • 頸動脈内膜中膜肥厚(Intima-Media Thickness:IMT)の進行
  • 心筋血液量および心筋血流の減少
  • 酸化ストレス、炎症、および内皮機能不全

[ 推奨 ]

食後高血糖は有害であり、対策を講じる必要がある。

  • 食後高血糖が心血管疾患のリスクや心血管疾患の予後と強い関連を持つことが示されています。さらに食後高血糖は動脈硬化性疾患と関連があること、また 網膜症、癌や認知症などの発症と関係していることも多く報告されています。このように食後高血糖が有害であること、そしてその対策の必要性が指摘されています。
Q2.臨床的予後および血糖管理(HbA1c)を改善する上で食後高血糖の治療は有益か。

[ エビデンスステートメント ]

  • 現在のところ、食後血糖是正が臨床上の予後を改善するという直接的なエビデンスは無作為化臨床試験から得られていない。
  • 食後血糖値を標的とした薬剤による治療は一次予防における血管イベントを減少させる。
  • 食後血糖値と空腹時血糖値の両方を標的とすることは、最適な血糖管理を得る上で重要な戦略である。

[ 推奨 ]

食後高血糖を呈する者に対して、食後血糖値を低下させる治療戦略を実施する。

  • 最近の研究から考えて、2型糖尿病の心血管疾患の予防には糖尿病発症後の早い段階からより厳格に血糖管理することが重要です。
  • 推奨されるHbA1c 7%(NGSP)未満の達成には、空腹時血糖値の管理のみでは不十分であり、空腹時血糖値に加えて食後血糖の管理が重要です。
Q3.食後血糖値の管理にはどのような治療法が有効か。

[ エビデンスステートメント ]

  • 糖負荷の低い食事は食後血糖値の管理に有益である。
  • いくつかのクラスの薬剤は選択的に食後血糖値を低下させる。

[ 推奨 ]

食後血糖値を標的とするためには、種々の非薬物療法および薬物療法を考慮すべきである。

  • 食事、運動、および体重のコントロールが、依然として糖尿病管理には重要です。食後血糖値の上昇を抑える食事は糖尿病管理に役立つ可能性があります。
  • 食後血糖を標的としている糖尿病の治療薬があります。
  • 従来からある治療薬としては、α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)、速効型インスリン分泌促進薬(グリニド)、インスリン製剤(超速効型インスリン)があります。さらに、食後血糖を管理する新しい治療薬として、DPP-4阻害薬などのインクレチン関連薬も有効です。
Q4.食後血糖管理の目標は何か、それをどのように評価すべきか。

[ エビデンスステートメント ]

  • 妊婦以外の健常人では食後血糖が7.8mmol/L(140mg/dL)を超えることはほとんどありません。
  • 血糖自己測定(Self Monitoring of Blood Glucose:SMBG)は現在のところ血糖値を評価する最善の方法です。

[ 推奨 ]

  • 食後血糖値は、食後1~2時間に測定するべきである。
  • 低血糖とならない限り、食後血糖値目標は9.0mmol/L(160mg/dL)とする。
  • 血糖測定(SMBG)を考慮するべきである。というのも本法が現時点でもっとも実際的な食後血糖のモニタリング方法だからである。
  • 持続血糖測定を行い24時間血糖をモニタリングすることによって、血糖値は食後1~2時間でピークに達することが明らかにされています。
  • 健康な人の食後血糖値は140mg/dLを超えることはほとんどありませんが、糖尿病患者が低血糖のリスクなくこの値を達成することは難しく、安全性を考慮して目標値を160mg/dLとしています。
  • インスリン治療を行っていない2型糖尿病患者に、SMBGで血糖モニターしながら治療すると、そうでない治療よりもHbA1c低下が大きいことが報告されています。
  • SMBGによる血糖値の管理には、SMBGの実施時間や頻度を、それぞれの治療法および血糖管理の程度に応じて、個別に設定することが重要です。

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