尿酸や尿酸産生酵素XOに関連したトリビアを紹介します。お気軽にご覧ください。
(XO:キサンチンオキシダーゼ)
監修:室原 豊明 先生
名古屋大学大学院医学系研究科 循環器内科学 教授
高尿酸血症といえば一般的には「プリン体の摂り過ぎ」といったイメージがありますが、実はそれ以外にもさまざまな要素の影響を受けているのをご存じでしょうか。その中から、いくつかを紹介します。
ポリネシア・ミクロネシア人などの南太平洋諸島の住民(いわゆる黒潮民族)は痛風にかかりやすい民族であり、その血を引き継ぐ日本人も欧米人などに比べると痛風にかかりやすい体質を持った民族といわれています1)。
一般的に女性よりも男性のほうが高尿酸血症になりやすいと考えられていますが、それは女性ホルモンが尿酸を体外に排出しやすくしているからです。よって閉経後に女性ホルモンの分泌量が減ると、尿酸値は上昇する傾向にあります。
女性は尿酸値が7.0mg/dL以下であっても、尿酸値の上昇とともに生活習慣病のリスクが高くなることから、男性よりも低い血清尿酸値から潜在する疾患の検査と生活指導が勧められています2)。
尿酸値には日内変動や季節変動などがあり、尿酸値も明け方に高くなり、夕方には低くなることが知られています3)。
また冬よりも夏のほうが発汗によって体内の水分が失われることもあり、尿酸値が高くなる傾向にあります。夏場はとくに十分な水分補給を行うと良いでしょう。
参考文献