血糖変動パターンをみる(測定ポイント指導例)
血糖自己測定の測定ポイントチェックシート
「MEQNET SMBG Viewer」、「SMBG Viewer Lite」と「血糖自己測定ポイントチェックシート」を使用して、タイムゾーンの血糖値の変化をわかりやすく表示することができます。
血糖変動をより的確に捉えるために~SMBGの活用について考える~
河津捷二
<(財)朝日生命成人病研究所附属丸の内病院所長>
1日の血糖変動パターンをより的確に捉えるために
SMBGを行う際、同一の測定パターンの繰り返しになっているということはないでしょうか?その場合、高血糖や 低血糖などの問題点を見逃す可能性があるのではと危惧されます。
例えば、空腹時血糖は比較的良好なのに、HbA1cが7%や8%以上という患者さんは、食後高血糖などの問題点が潜んでいる可能性があります。
このような際は、SMBGの測定ポイントに工夫を加え、血糖変動パターンをより的確に捉える必要があります。一般的に血糖の頂値は、食後2時間以内のことが多いのですが、治療により変化致します。
限られた測定回数の範囲内で測定ポイントに変化を持たせる
やみくもに測定回数を増やすことは難しく、限られた測定回数の中で、効率良く一日の血糖コントロール状況を把握する方法を工夫しなくてはなりません。例えば、以下のような方法を活用するのも選択肢のひとつとして有効です。
[ その1 ]
第1日目は朝食前、朝食後1時間、2時間、第2日目は(朝食前)、昼食前、昼食後1時間、2時間、第3日目は(朝食前)、夕食前、夕食後1時間、2時間、就寝前に測定するという3日間のサイクルを1ヵ月続けると、平均的な1日の血糖変動パターンが得られます。(40回~48回/月)
【第1日目】
朝食前 | 朝食後 1時間 | 朝食後 2時間 | 昼食前 | 昼食後 1時間 | 昼食後 2時間 | 夕食前 | 夕食後 1時間 | 夕食後 2時間 | 就寝前 | その他 |
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● | ● | ● |
【第2日目】
朝食前 | 朝食後 1時間 | 朝食後 2時間 | 昼食前 | 昼食後 1時間 | 昼食後 2時間 | 夕食前 | 夕食後 1時間 | 夕食後 2時間 | 就寝前 | その他 |
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(●) | ● | ● | ● |
【第3日目】
朝食前 | 朝食後 1時間 | 朝食後 2時間 | 昼食前 | 昼食後 1時間 | 昼食後 2時間 | 夕食前 | 夕食後 1時間 | 夕食後 2時間 | 就寝前 | その他 |
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(●) | ● | ● | ● | ● |
[ その2 ]
毎月朝食前1回、週1回のみ各食前・食後・就寝前の7ポイントを測定する方法。(54回/月)その他、毎日1日2回として、1日目朝食前後、2日目は昼食前後、3日目は夕食前後、4日目は朝食前・就寝前の測定を繰り返し、1日ごとにタイムゾーンをずらして測定する方法(60回/月、1週1サイクル(4日間)の場合32回/月)なども考えられます。
低血糖症状やシックデイなど、何らかの変化が感じられたときには、そのときにもSMBGを行い、時間やそのときの状況を記録してもらいます。測定ポイントに変化を持たせることで、1日の血糖変動パターンの頂値や最低値を見出すことが期待できます。
1回/日 | 朝食 | 昼食 | 夕食 | 就寝前 | 深夜 | |||
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前 | 後 | 前 | 後 | 前 | 後 | |||
月曜日 | ● | |||||||
火曜日 | ● | |||||||
水曜日 | ● | |||||||
木曜日 | ● | |||||||
金曜日 | ● | |||||||
土曜日 | ● | |||||||
日曜日 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |