ケースで学ぶ わたしならこうする 「食後高血糖治療のTips」

第5回 セイブルにインスリン(BOT)を追加する場合 秋田大学大学院医学系研究科内分泌・代謝・老年内科学 准教授 成田 琢磨 先生

症例の紹介

67歳女性、過体重の患者さんです。罹病期間が長く、α-GIを含め経口血糖降下薬3剤併用中で、食前・食後の血糖変動は小さいですが、空腹時血糖値が高くなっています。今回は、罹病期間が長く、経口血糖降下薬3剤併用にて血糖コントロールが不十分な患者さんの薬物選択の方針について考えてみましょう。

  • 67歳、女性、主婦
  • 身長:159.0 cm、体重:70.0 kg、BMI:27.7 kg/m2
  • 家族構成:夫と子供夫婦と4人暮らし
  • 現病歴:17年前に2型糖尿病と診断され、1,600kcalの食事療法開始。
    α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)1日3錠を各食直前、メトホルミン1,000mg分2、シタグリプチン50mg分1内服
  • HbA1c:7.6 %
  • 空腹時血糖値:166mg/dL 食後2時間血糖値:199 mg/dL
  • 合併症:単純網膜症、微量アルブミン尿

TIPS1

食後高血糖の治療の重要性が高まっている

近年、食後高血糖が心血管疾患の発症や進展、動脈硬化性疾患と関連することが相次いで報告され、注目を集めています。
その治療選択肢のひとつであるα-GIは、消化管での糖類の吸収を遅延させるため、遅れているインスリン分泌と糖の吸収のタイミングが合い、食後高血糖を是正させることが期待できます。

TIPS2

α-GIであるセイブルは食後高血糖に対する有用な選択肢

α-GIのなかでもセイブルは、薬剤が吸収されるため、GIPが分泌される小腸上部では糖吸収を強力に抑制する一方、GLP-1が分泌される小腸下部では移行した糖が十分吸収されます。
脂肪蓄積作用を有するとされるGIPの分泌を抑制するセイブルは、体重へ影響する可能性があると考えます。

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