ケースで学ぶ わたしならこうする 「食後高血糖治療のTips」

第2回 SU薬にセイブルを追加する場合 秋田大学大学院医学系研究科内分泌・代謝・老年内科学 准教授 成田 琢磨 先生

症例の紹介

76歳女性、BMIが25kg/m2超と過体重の患者さんです。空腹時血糖値はある程度低下していますが、食後血糖が十分抑制されていないという、臨床でよくみられる症例です。今回はSU薬服用で食後高血糖を呈する患者さんの薬物選択の方針について考えてみましょう。

  • 76歳、女性、主婦
  • 身長:144.0 cm、体重:53.4 kg、BMI:25.8 kg/m2
  • 家族構成:夫と2人暮らし
  • 現病歴:5年前に2型糖尿病と診断され、1,440kcalの食事療法開始。
    3年前からグリクラジド20mg朝食後内服。
  • HbA1c:7.7 %
  • 空腹時血糖値:134mg/dL 食後2時間血糖値:238 mg/dL
  • 合併症:特になし

TIPS1

食後高血糖がある場合は夜間の低血糖にも注意する

食後の急激な血糖上昇、すなわちグルコーススパイクは、動脈硬化の危険因子です。また、同じHbA1cでも低血糖を起こす薬剤にて治療中の患者さんで食後高血糖がみられる場合は、血糖変動幅が大きく、食前や夜間などに低血糖を起こしている可能性が考えられます。特に、高齢患者さんでは無自覚性低血糖が多くなるため、夜間の低血糖に注意が必要で、作用時間の短いSU薬を少量使用します。低血糖は認知機能低下の危険因子であることからも、低血糖を起こさず高血糖を抑制し、血糖変動を平坦化することが重要です。

TIPS2

α-GIで食後高血糖とともに、
内因性のインスリン分泌を抑制する

血糖コントロールが不良で、SU薬と他の経口血糖降下薬を併用するに当たっては、血糖コントロール改善とともに低血糖リスクを考慮することが重要です。SU薬を高用量使用している場合は2分の1程度まで減量します。また、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬と併用する場合も日本糖尿病学会のRecommendationに従って減量が必要です。
α-GIは、腸管での糖の吸収を遅らせることにより、食後高血糖を改善するとともに内因性のインスリン分泌を抑制し、次の食前の過度の血糖低下を軽減させる可能性があります。

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