医療関係者向け情報

ダイアートのエビデンス:J-MELODIC試験

1. J-MELODIC試験の概要

監修:兵庫医科大学内科学循環器内科 教授 増山理先生

J-MELODIC:
利尿薬のクラス効果に基づいた慢性心不全に対する効果的薬物療法の確立に関する多施設共同研究(Japanese Multicenter Evaluation of LOng-versus short-acting Diuretics InCongestive heart failure)

背景


ループ利尿薬は強力な利尿作用を有し、呼吸困難や浮腫などの心不全における臓器うっ血症状を速やかに軽減する。ループ利尿薬は心不全治療における必須の薬剤であり、日本循環器学会をはじめ心不全治療ガイドラインでは、体液貯留による症状に対してClassIに位置づけられている。しかしながら、利尿薬は1960年代から心不全治療薬として使用されており、その生命予後改善効果は検証されていないばかりか、大規模無作為臨床試験の後付けサブグループ解析では、その投与が独立して生命予後を悪化させることも報告されている。実際の診療の現場では、臓器うっ血が改善した後も、漫然とループ利尿薬投与が継続されていることも稀ではなく、注意が必要である。心不全治療で用いられるループ利尿薬は、短時間作用型のフロセミドが70~80%を占めており、血中K値の低下や神経体液性因子の活性化の増強が、ループ利尿薬の予後に関与する可能性がある。一方、長時間作用型ループ利尿薬であるアゾセミドは持続的かつ緩徐な利尿作用を発揮し、心不全治療にはより適していると期待される。

目的 ループ利尿薬が投与されている慢性心不全患者において,長時間作用型利尿薬azosemideと短時間作用型利尿薬furosemideの効果を比較する。
評価項目 一次評価項目:心不全症状の悪化による入院および心血管死。
二次評価項目:全死亡;症状の悪化(3ヵ月以上にわたるSAS[specific activity scale]質問票によるスコアが1 Mets以上の低下あるいはNYHA 心機能分類I度以上の悪化);BNPの上昇(ランダム化前より30%以上の上昇);心不全治療の変更の必要(経口投与薬の1ヵ月以上の変更あるいは4時間以上の静注の追加)。
デザイン PROBE(Prospective Randomised Open-Blinded Endpoints)
登録数 320例
対象 20歳以上の男女;6ヵ月以内にFraminghamの心不全基準を満たす心不全の診断をうけたもの;NYHA II~III度(EFは問わない);ループ利尿薬投与例;8週間以内に投薬内容に変更がなく安定しているもの。
期間 追跡期間2年(2006年6月試験開始、2010年8月試験終了)
方法 furosemide群:20~40mg/日,azosemide群:30~60mg/日にランダム化。試験薬の増量は症状に応じる。
プラセボによるrun-in期間は設けない。
全例,標準治療(digitalis,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬,ACE阻害薬,ARB,β遮断薬,Ca拮抗薬)を受けている。
結果発表 ・第76回日本循環器学会学術集会 「Late Breaking Clinical Trials」
・Circulation journal 2012;76(4):833-42

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