ダイアートの心拍変動、RAA系及び脱水指標への影響
禁忌を含む使用上の注意等につきましてはD.I.をご参照ください。
心拍変動(交感神経系)・レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系に対する影響
7)Tomiyama H, et al. Am Heart J 1999; 137(3): 543-548
目的 | 長時間作用型利尿薬ダイアートと短時間作用型利尿薬フロセミドの慢性心不全患者に対する心拍変動、体液量、神経体液性因子への影響を比較検討する。 |
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対象 | 慢性うっ血性心不全患者19例(NYHA 心機能分類Ⅱ-Ⅲ度) |
試験方法 | ダイアート群(60or 90mg/日)またはフロセミド群(40or60mg/日)の2群に分け5日間投与し、クロスオーバー試験にて行った。(ダイアート60mg/日、フロセミド40mg/日を等量として換算。
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評価項目 | 体重、血圧、心拍数、血漿レニン活性、エピネフリン、ノルエピネフリン、ANP、ヘマトクリット値、BUN、血清Cr、血中電解質(Na、K、Cl)、尿中Na排泄量、心拍変動指標(TP、HF、LF、HF/LF、SDNN、SDANN、rMSSD) |
副作用 | 試験期間中に両群とも副作用は認められなかった。 |
心拍数/血漿レニン活性/ヘマトクリット値
ダイアート投与ではどの指標においても有意な変化は認められず、交感神経系・神経体液性因子への影響が小さいと考え られた。フロセミド投与では、投与後2.5時間で心拍数・血漿レニン活性・ヘマトクリット値の上昇が認められた(p<0.05)。
SDNN
ダイアート投与で心拍変動の指標であるSDNNが有意に高かった(p<0.01)。
承認用法・用量(抜粋):1日1回アゾセミドとして60mgを経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。