医療関係者向け情報

ダイアートの血漿BNP値低下作用:COLD-CHF 試験

禁忌を含む使用上の注意等につきましてはD.I.をご参照ください。

慢性心不全の外来患者における短時間作用型と長時間作用型ループ利尿薬の比較研究

Miyata M, et al. J Cardiol. 2012; 59(3): 352-358
宮田 昌明、 佐々木 健、 池田 義之、新里 拓郎、 窪薗 琢郎、 古庄 優子、 楠本 敦旨、 濱崎 秀一、
鄭 忠和( 鹿児島大学大学院循環器・呼吸器・代謝内科学)

目的 慢性心不全の外来患者を対象に、神経体液性因子と心機能に対する短時間作用型ループ利尿薬フロセミドと長時間作用型ループ利尿薬ダイアート(一般名:アゾセミド)の治療効果を比較するために多施設無作為化試験を実施した。
方法 アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)とフロセミドを最低1ヵ月投与し、症状が安定している外来慢性心不全患者(NYHA 心機能分類 Ⅰ-Ⅲ度)98例を対象とした。
それらの患者をフロセミド継続投与群(フロセミド群)49例とダイアート切替投与群(ダイアート群)49例に無作為に割り付けた。フロセミド群は割り付け前と同用量のフロセミドを継続投与した。ダイアート群は、割り付け前フロセミド投与量から換算したダイアートの投与量を投与した。(割付前フロセミド20mg, 40mg/日は、それぞれダイアート30mg, 60mg/日に変更)

方法

評価項目 体重、胸部X線による心胸郭比(CTR)、血漿BNP濃度、血漿ANP濃度、心臓超音波検査(Tei Index等)
患者背景 ダイアート群(n=48)、フロセミド群(n=49)において、両群間の患者背景に有意差は見られなかった。

患者背景

患者背景

結果 体重変化、胸部X線による心胸郭比(CTR)変化 ダイアート群の体重が減少したのに対し、フロセミド群では増加が確認され、両群間の体重変化に有意差が認められた。(P<0.05)(図1A)
CTRの変化は、両群間に有意差を認めなかった。(図1B)

図1

血漿BNP・ANP濃度変化 ダイアート群で血漿BNP・ANP濃度が低下したのに対し、フロセミド群では上昇が確認され、両群間の濃度変化に有意差が認められた。(P<0.05)(図2A、B)

図2

Tei index
(心臓超音波検査)
・LV(左室) Tei index:ダイアート群で減少傾向を示したが、フロセミド群では上昇傾向を示した。しかしながら、両群間の変化に有意差は認められなかった。(図3A)
・RV(右室) Tei index:フロセミド群では3ヵ月後有意な増加が認められた。(P<0.05)しかしながら、両群間の変化に有意差は認められなかった。(図3B)

図3

Tei index

副作用 ダイアート群で、1例頻尿のため投薬継続を拒否したので試験から除外した。その他の副作用は、ダイアート群、フロセミド群どちらの群にも見られなかった。

まとめ


ACEIを基礎治療とした慢性心不全患者において、長時間作用型ループ利尿薬ダイアートは、短時間作用型フロセミドに比べ、心血管イベントと予後の予測に有用なバイオマーカーである血漿BNP・ANP 濃度を有意に減少させた。最近発表されたJ-MELODIC 試験※結果と合わせると、長時間作用型ダイアートは、緩やかな利尿作用により慢性心不全の心機能改善と予後に有用であることが示唆される。

※Masuyama T, et al. Circ J 2012;76(4):833-842

承認用法・用量(抜粋):1日1回アゾセミドとして60mgを経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。

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